一週間して振り返るK-1GP

前代未聞の結末となってしまいました、今年のK-1WorldGP。
直後に書くと色々感情的になりそうだったので、一週間を置いた本日、振り返ってみたいと思います。
ポイントとしては以下の通り……

・気になったファイター。
・バダ・ハリの反則について。
・レミーが試合を続行できなかったことについて。
・今後の展望。


……です。


と、言うわけで、まずは気になったファイターと、決勝以外の感想などを述べてみたいと思います。
ずばり、今年はついに「世代交代が成った」GPだったと思います。
ベスト8に残った中で、古参ファイターはアーツバンナの二名のみ。
しかし、彼らはベスト4に残ることが出来ませんでした。
勝ち残ったファイターのうち、最年長はレミー
完全に新しい世代の台頭が見てとれます。
しかも、若い世代の試合は、どれも来年・再来年を期待させるものでした。
負けはしましたが、エヴェルトン・テイシェイラも成長が見てとれましたし、エロール・ジマーマンなんかも期待以上でした。
バダ・ハリからダウンを奪ったところなど、本当に驚きました。
それからグーカン・サキ
本当に地味ですが、改めて穴のないファイターだと思いました。
レミーにはKOされてしまいましたが、ルスラン戦ではまったく危なげなく、キックもパンチもディフェンスも非常に良かったです。
将来、現在のレミーポジションになりうる素晴しい逸材です。
来年以降も、強豪との試合を続けて、実力を上げて欲しいものです。


と、若手の活躍が目立つ、「非常に素晴しい大会」で総括したいところだったのですが、最後は本当に残念でしたね。
バダ・ハリはアーツをKOしましたし、内容としても非常に良かったのですが……。
正直、私も決勝までの試合を見て、「今日のレミーには誰も勝てないだろうな」と思ったので、そんなレミーの強さと圧力の前でバダ・ハリもカッとなって封印したはずの暴走キャラに戻ってしまったのでしょうか?
でも、何も決勝の舞台で、モロッコからの応援団もいる目の前で……。

はっきり言います、最低です。

私の中では今年、バダ・ハリ株が急上昇していました。
実力、試合でのパフォーマンス、どれをとってもプロ中のプロだと……。
しかし、株価は急落どころか大暴落です。
魔裟斗選手が解説で「1年間出場停止になってもおかしくない」と言っていましたが、本当にその通りです。
まあ、過去のボブ・サップなどの例から見て、実際は数ヶ月で済むと思いますが、私は1年くらい出場停止にすべきだと思います。
テレビ局や主催者としては痛いでしょうけど、K-1があくまでスポーツを名乗るなら、それぐらいの処分は必要です。
それに、今回のGPで活躍したエロジマン、テイシェイラ、サキを筆頭に、楽しみな若手ファイターは現在ゴロゴロしています。
レミーも王者として恥ずかしくない強さを持っています。
バダ・ハリ一人抜けても大丈夫ですし、逆にクリーンさを保つことが今後のK-1のためになると思います。


さて、しかし一部ネットではそんなバダ・ハリでなく、レミーを叩いている人がいるようです。

「ファイターなら反則攻撃にへこたれてないで、跳ね返してみせろ!」

「ダメージあるフリをして逃げたんじゃないの?」

と言うのが主要な意見のようです。
こういう意見が出るだろうことは、もう分っていました。
どこの世界に行ってもこういうことを言う人間はいるものです。
ですが、私はこれらの意見には賛同できません。

まず、これは主観になってしまいますが、まがいなりにも格闘技を経験した人間から言わせてもらうと、あの踏みつけは相当なダメージがあったと思います。
例えを出しましょう……皆さんが道で喧嘩になったとき、倒れこんでしまったとします……。
上から思い切り頭を踏みつけられて、ノーダメージでいられる自信はありますか?
下がコンクリートだとやや極論ですね。
家のフローリングではどうでしょう?
もしくは畳の上では?
スプリングの入ったリングの上では?

さらに、マウリシオ・ショーグンの試合を例にしてみましょう。
彼は十分なスプリングの入った、総合用のリングの上で戦っていますが……
彼に踏みつけられた選手はどうなりましたか?

そう言うことです。

踏みつけと言うのはかなり反則的な威力を秘めています。
脚の力だけでなく、全体重がのってくる一撃を頭部に受けるのですから、当然です。
では、バダ・ハリの踏みつけはどうでしょう?
彼は100kg近くあるヘビー級ファイターです。
しかも、強い選手ではキックの威力が1tを超えると言われるK-1ファイターです。
その選手に踏みつけられる……。
しかも下は総合用のリングではありませんし、レミーもルール上、踏みつけられるなどとは思っていません。
完全不意打ちでそんな攻撃を貰ったのですから、あの後立ち上がることができただけでも凄いことです。

「ファイターなんだから、一発ぐらいで……」

そんな意見もありますが、そんなことを言う人は漫画の読みすぎです。

人間は鍛えることにより、鋼の肉体が手に入る?
戦闘力100を超えたら銃弾も効かないし、10000を超えたら核も効かない?

ありえません。

人間はいくら鍛えたところで人間です。
脆弱で、一人では何もできない霊長類ヒト科、60億いるホモサピエンスの中のただの一匹にすぎません。
とくに、頭は急所です。
鍛えようがありません。

それに、例えレミーのアレが演技だったとしても、責められるべきはバダ・ハリです。
格闘技の試合というものは喧嘩ではありません。
ルールがあって、お互いそれを守りながら闘うスポーツです。
なぜルールを守るのか?
危ないから、無秩序になるから……?
いえいえ、もっと簡単なことです。

ルールを破ったら負けになるからです。

つまり、負けないためにはルールを守る必要があるんです。
パンチをガードするのはなぜですか?
負けないためです。
キックをカットするのはどうしてですか?
負けないためです。

同じです。

いわば、ルールの遵守は格闘家として最低限のディフェンスです。
バダ・ハリがそのディフェンスを解いたのですから、レミーが試合を中止したとしても、それはガードの開いたところにパンチを打ち込んだのと同じことです。
「息を吸わなくてはいけない」というルールを破ったら死ぬのと同じように、「踏みつけてはいけない」というルールを破ったらK-1のリングでは生き残れません。
つまり、バダ・ハリのあれは自爆です。
サッカーのオウンゴールと同じです。
オウンゴールでポイントが入ったら、ポイントが入った方のチームが叩かれる?
そんな話聞いたことがありません。
全ての責任はバダ・ハリにあります。
レミーが責められる理由などこれっぽっちもありはしません。


さて、そんな残念なGPでしたが、最後に来年以降の展望に触れてみたいと思います。
今後の展望ですが、まず「バダ・ハリの処分がどうなるか?」が一つのカギとなります。
重い処分が下れば、今後、K-1はスポーツとしてのクリーンさを追及する路線をとるでしょう。
そうなれば、今の若手は実力派ぞろいですので、また面白いK-1になると思います。
しかし、軽い処分なら、K-1はスポーツとしてのクリーンさよりテレビの視聴率や人気を意識するエンターテイメント路線をとったということ。
そうなれば、今回のような事態はまた繰り返されるでしょうし、疑惑の判定も一層増えることでしょう。

第二に、「シュルトの去就」もカギになるはずです。
いくら試合内容に面白みがないとは言え、スーパーヘビー級王者であり、GP三連覇王者である彼を来年以降出さないとなると、前述の通り、それはK-1がエンターテイメント路線に入ったということです。
確かにシュルトの存在は厄介ではありますが、それは誰かが打ち倒せば済む話です。
いえ、スポーツであるなら、打ち倒さなくてはいけないのです。
シュルトを追放する前に、K-1はもっと若手の育成に力を入れるべきです。
直接支援することができなくても、例えば「育てるマッチメイク」など、主催者としてできることはいくらでもあります。

まあしかし、K-1がエンターテイメント路線に進んでしまったのなら、その時はその時です。
格闘技は所詮、スポーツになりきれなかったスポーツ……妖怪スポーツだったのだと思い、私はおそらく格闘技から離れることになるでしょう。
ただ、私は言いたいです。
格闘技が面白いのはエンターテイメントだからではなく、「何が起こるか分からないスポーツだからこそ面白いんだ」と。


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